<信念の力>
信念とは、信じ、念ずることです。即ち、夢の実現を確信し、実現させることのみに思いを集中させると言うことです。
夢が大きい場合には、多くの人々の協力が必要になってきます。今では大企業となった会社であっても、創業時には小さいのが通常で、経営者の信念が強ければ、そこに共感する人が集ってくるのです。固い信念をもって、夢実現に邁進する人は、磁石のように周りの人々を呼び寄せ、事物を引き寄せることができるのです。信念を持っている人の周りには、人が集まってきます。この人についていくと何かいいことがあるんじゃないかと思えてくるのです。引き寄せの法則もここに力を発揮します。即ち、成功者は成功者を引き寄せ、失敗者は失敗者を引き寄せます。固い信念で、夢実現を確信している人の周りには、夢実現を援助できる優秀な人たちが引き寄せられてくるのです。
アップルのスティーブ・ジョブズなどはよい例です。ジョブズとウォズの2人のスティーブで始めたパーソナルコンピュータービジネスは、真にクールな製品を作りたいというジョブズの信念とウォズの技術で、現在のアップルを築き上げたのです。ビジネスを始めた当初、たった二人で始めた会社には資金も人材もなく、初期の製品であるアップルIIの開発には、ヒューレット・パッカードなどの一流企業から優秀な人材を呼んで来るのはジョブズの役目でした。「僕らはここで未来を創っているんだ。僕らと一緒に宇宙に衝撃を与えてみないかい?」などと、情熱的な言葉で、エンジニアを口説いたわけです。資金も同じように、マーケッターのマークラとの事業計画策定の中で、ジョブズの信念に感化され、資金とマーケティングの知識を提供することになったのです。このようにジョブズの周りにはしだいに多くの優秀な協力者が集まってきたのです。
それでは、夢実現の原動力となる信念の力を強めるにはどうしたらよいでしょうか。それには小さな成功を積み重ねることです。信念は、行動を誘起させますが、行動は信念を強める働きをするものです。小さな成功をもたらすための行動を起こすことが、信念を強いものにするのです。さらに、鮮明なビジョン、あるいは、目標設定によって、強力な指示を与え、方向性を与えることによって、信念の力は強くなります。方向性、目標を与えることによって、エネルギーが集結してくるわけです。エネルギーが集中することによって、物理的な力、物体を創造する力となって、現象化してくることがあります。これが、信念の力です。ある目標に向けて思いを集中させるということは、投げ縄と同じ効果があるのです。目標物に輪がかかると、縄は、その目標物を身近に手繰り寄せることができるのです。これが、信念の力の物理的顕現のメカニズムなのです。
インド独立の父と呼ばれたマハトマ・ガンジーも信念の人と呼ばれた偉人の中の一人です。非暴力・不服従を唱え、インドを独立へと導いた人です。彼は、驚くほど偉大な信念を持っていました。彼は、お金も、家も、一着の着物さえも持っていませんでした。しかし、彼は信念の力で、インド2億人の心を揺さぶり、人々を独立へと導くことができたのです。信念は、人の心を奮い起こさせます。一人一人の心に火をつけ、周りの人々に伝搬する力を持っているのです。大きな、成功を目指すためには、この信念の力が必須です。
この信念の力は、時代を超えて影響力を持ちます。ここアトランタが輩出した偉人、マーチンルーサーキングJRもマハトマガンディーに影響を受けた一人です。非暴力抵抗の固い信念は、キング牧師の公民権運動にも影響を与え、キング牧師の博物館には、今でも、ガンディーの写真や、彫刻が残されています。