<顧客を知るのは顧客ただ一人>
顧客や市場について、企業の人間が知っていると考えていることは、正しいことよりも間違っていることのほうが多い。顧客と市場を知っているのはただ一人、顧客本人である。したがった、顧客に聞き、顧客を見、顧客の行動を理解して初めて、顧客とは誰であり、何を行い、いかに買い、いかに使い、何を期待し、何に価値を見出しているかを知ることができる。
『創造する経営者』
<お客様のお望みはエンターテインメント>
アトランタには老舗日本食レストランである、RESTAURANT/NAKATOがあります。
米国でのJAPANESE STAKE HOUSEは、ロッキー青木氏が1964年に始めたBENIHANAが、その先駆者で、アトランタではほぼ同じころに開店しています。ロッキー青木氏の成功物語は、日本でも有名ですので、JAPANESE STAKE HOUSEもよく知られているかと思いますが、そのパフォーマンスを売りにしています。
ある時、常連客がお友達をお連れされたとき、いつもは必ず入れるジョークを常連さんだからと言って、飛ばしてしまったところ、あとから、その常連さんに、「なんでいつものジョークを言わなかったんだ、おれは、それを聞かせるために、友達を連れてきたのに。」と叱られたそうです。ジョークを聞きにレストランに来ることもるのですね。
マーケティングの世界では、コトラーのドリルの販売のたとえは有名ですね。ある日曜大工店で、ドリルを買いたいというお客を対応したときの話です。売る側は、自分の店のドリルについて、「いろいろなドリルがあって、こんな性能があります」と説明し、ドリルを売ろうとするわけです。しかし、お客が求めているのは、ある木材に穴をあけることであり、ドリルが欲しいわけではないのです。結局は、店の工作部で穴をあけてもらって、お客は喜んで帰ったという話でした。大切なのは、お店の立場で、商品を説明したり、商品をいくら売るかということではなく、お客様の立場にたって、お客様が何を求めているかをキャッチすることです。そうすれば、おのずとものは売れてしまうのです。
近頃は、YELP(日本のぐるなびみたいなもの)のような、ネットによるレストラン検索ののレヴューがいろいろな点で重要になっています。悪い評判は、即座に広まりますし、新しいレストランを探すときには、必ず、このレヴューを参考にするという人が多いです。このお客様のご意見にしっかり対応して今ないと、そのレストランは生き残れません。レストランにはとても怖い時代ともいえるでしょう
また、リピーターを増やす努力としては、顧客リストを作り、メールやダイレクトメールで管理しているところが多くみられます。その顧客に対して、いろいろな企画を提供して、お店に足を運んでいただくのが、売り上げにも貢献しているようです。NAKATOでは、ハロウィーンのかぼちゃランタン創りや、ひな祭りなど、子供たちをターゲットに、集客をしています。いろいろな企画で、お客様にも喜んで頂いているようです。