自らの強みに集中する
不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。全くの無能を平均以下の水準にするには、一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を要する。
『明日を支配するもの』
<トレーダージョーズのプライベートブランド>
アロハを着た店員さんが、気軽に声をかけてくれるスーパー、Trader Joe’s。このお店は普通のスーパーとはちょっと違った、おしゃれ感覚のお店です。ミッションステートメントは、「どの商品をとっても顧客に最大の食料飲料価値を提供することです。すなわち、購入判断に必要な情報をどこでも見つけることができます。私たちは、最高の顧客満足を提供するとともに、温かい心、フレンドリーな心、楽しさや、個人の誇り、そして当社の精神を共にお届けします。」というものです。
1967年カリフォルニアのパサディナにコンビニエンスストアとしてできたのが始まりで、現在は、全米に400店舗を構えています。お店の特徴は、通常のスーパーに比べ、売り場面積はさほど大きくありません。そのためか、大きなお店で、欲しいものを探して、ジャングルの中をさまようような感覚はありません。それと、値段の安さと、質の高い商品とが一番の魅力です。Trader Joe’sは、生産者と直結し、大量購入でコストを抑え、独自ブランドとして販売しています。
商品の70%はPB(プライベートブランド)と言われています。カリフォルニアがスタートということで、ワインの品ぞろえにはこだわっています。特に、Trader Joe’sブランドは、$2.99で販売しており、その安さと、美味しさには定評があり、多くの顧客を引き付けています。
商品の多くはオーガニックを売りにしています。オーガニックといえば、WHOLE FOODS ですが、価格はWHOLE FOODSに比べ、かなり安めに設定されています。先ほど述べたように、産地直送であったり、陳列コストを、通常、商品に上乗せするのが常ですが、店員独自で行うということで、コストを抑えています。
店内は、カリフォルニアの雰囲気を感じさせるデコレーションであったり、アロハシャツや、オシャレなデザインのショッピングバッグ等も、日本人観光客のお土産として人気です。日本のヤフーオークションなどに、結構な値段で売りに出ていたりします。
マーケティングの観点から、20代から30代の若いカップルをターゲットとした構成となっており、店内にあまり老人などは見られません。商品数も、他のスーパーが4万点ほどに対して、7000程度の品ぞろえで、かなり絞った感じです。このあたりが、低価格ににできる一つの要因と考えてもよいでしょう。
私は、今、Trader Joe’sの冷凍食品にはまっています。タイカレー、インドカレーなどをはじめとし、
インドのマサラ、中華の餃子、シュウマイ、韓国のカルビなど、世界の食品がTrader Joe’sブランドで売られています。オレンジチキンは特に最高で、月に何度も頂いています。アメリカ人はあまり料理が得意でないのか、外食や、冷凍食品を使うことが非常に多く、特に若い人たちは、その傾向が強いようです。このようなエスニックな感じの冷凍食品は、若い人たちに大人気です。
日本で、このような形態のスーパーマーケットにはまだ出会ったことがありませんが、聞くところによると、日本の大黒天物産という西日本を中心に展開しているスーパーの社長さんが、このTrader Joe’sを気に入って、同じようなものを展開してみたいと言っていたとかいないとか。
お店のお花もとても新鮮で、安く手に入ります。近隣から直送してくれているそうです。一時期、天気が不順で、トルネードが発生した時には、ほとんどお店から花が消えたことがありました。それを聞いた時には、何か、地域と深くかかわりあってるような気分になり、不思議な連帯感を感じたものです
海外に来たら、その国のその街のスーパーマーケットに入るのはおすすめです。その国の人々の生活を知ることができますし、日本にはない多くのものを発見することができます。マーケティングの立場からも、日本でビジネスを始めたりするのに大いに役立つと思います。