仏教的夢の実現について

 <夢実現のための、自己変革手法>
希望実現の方法と、八正道の組み合わせこそ、現代に与えられた、夢実現の最強手法
仏教の教えに八正道というものがあります。これは、仏教の中心的な教えである反省の教えで、お釈迦様が悟りを開かれた方法論として有名である。この、八正道は、現代によみがえり、夢実現の方法論となりました。八正道は、もともと心を正し、人間を悟りという名の幸福へといざなうものです。夢の実現を、現代の悟りの一部と考えた時に、素晴らしい、夢実現の方法となるのです。
夢を実現するということは、私たちの外にある環境を、夢の実現の状態に変容させることですが、この八正道を利用した、夢実現方法は、私たちの心から発する、自己変容に基づいて、夢の実現状態を作り上げるものです。すなわち、自分自身を、夢実現をか可能にする人間に自己変革することを意味しています。

八正道は、八つの反省項目からなり、その一つ一つを実践することにより、心を正し、心の力を利用して、夢実現という現代的悟りを目指します。その項目とは、

正見:正しいものの見方
正思:正しい思い
正語:正しく語る
正業:正しい行動
正命:正しい生活
正精進:正しい努力
正念:正しい目標
正定:正しい反省、瞑想

以上の八項目で、自己変革を通して、夢実現をかなえる手法です。この8つの項目をすべて実践すれば、私たちの生き方そのものを、夢実現できる状態に、変革してくれるのです。詳細を紹介します。

① 正見:正しいものの見方。仏教における正見は因果の理法によりる見方、即ち、すべての事象は、原因結果の法則に支配されているということです。もう少し具体的に言えば、善因善果、悪因悪果です(善い行いをすれば、良い結果を得、悪い行いをすれば、悪い結果を得る)。このような、因果の理法で物を見ることによって、夢を実現していきます。言い換えれば、良い夢実現方法を使えば、必ず、良い夢の実現が可能であるという、正しいマインドセットを持つこということでもあります。

② 正思:正しい思い。引き寄せの法則というものをご存知かと思いますが、私たちの思うことが、私たちの周りの事象を引き起こしているという考え方です。これは、因果の理法とも一致します。即ち、良いことを思えば、良いことが起き、悪いことを思えば、悪いことが起きるということです。夢実現に当てはめれば、夢実現の途中で、「無理、私にはできない、不可能だ、失敗するにきまってる、失敗が怖い」などの思いは、失敗をひきつけます。反対に、「必ず実現する、実現するまであきらめない」、などの思いがあれば、夢は実現します。常に、自分の思いをチェックすることが大切です。

③ 正語:正しい言葉。思いは言葉となって現れます。言葉は、また、自分の耳を通して、自分自身に戻り、思いをさらに強めます。ですから、マイナスの思いは、マイナスの言葉を発し、自らのマイナスの思いを強めます。反対に、プラスの思いは、プラスの言葉となって、自らに語り掛け、プラスの思いを強め、夢実現を強めます。思いのチェックはなかなかむつかしいものですが、言葉というものは、外に出てきている分、チェックしやすいと思います。言葉のチェックから、思いのチェックに行くのもよいかと思います。さらに、アファーメーション手法というものがありますが、これは、積極的にプラスの言葉を発し、自らの思いを強くする方法です。光明思想系の自己実現でよく使われる処方です。

④ 正業:正しい行い。ここでは、夢実現のための正しい行動と考えていいでしょう。夢は、思っているだけではなかなか実現いたしません。夢実現のために行動してこそ、その結果が得られるのです。ただし、ここで大切なのは、正しい行動、即ち、今行っていることが、夢実現に寄与しているかがとても大切です。いくら、行動しても、それが結果につながらないようでしたら、行動を変えなければなりません。従って、もう一度、正見に立ち返り、今の行動が、どのような結果をもたらすか、原因結果(因果の理法)の目でもって分析する必要がありますね。

⑤ 正命:正しい生活。ここでいう正しい生活とは、一日一日が、夢実現のための生活になっていますか、ということです。たとえ、夢実現の行動が正しくても、単発的では十分ではありませんし、長く続けることが大切です。しかし、意志の力で、行動するというのは、結構むつかしいものでもあります。そこで、行動を、習慣化して、生活の一部にしてしますことが、夢実現には大きな力となります。

⑥ 正精進:正しい努力。仏教における正しい努力とは、仏道修行のことです。ここでは、夢実現のための正しい努力とします。夢実現のためには、やはり、実現のための知恵が必要です。そのために、読書を通した、智慧の獲得が、この夢実現における正しい努力の人一つだと感じます。過去の偉人に学び、失敗にも学ぶことが夢実現の早道です。もう一つ大切なのが、社会に対する奉仕、貢献です。お釈迦様の時代に、周利槃特(しゅりはんどく)というお弟子さんがいました。釈迦教団で最も頭の悪い弟子とされていましたが、お釈迦様は、周利槃特に箒を与え、毎日、庭を掃くように言いつけました。周利槃特は、この掃除を通して、心の塵を払うことを悟り、阿羅漢の悟りを得たと言われています。現代においても、この掃除は、夢実現の大きな力になります。こんまりさんの、こんまりメソッドは夢実現の秘訣のように感じます。現代の成功した企業の社長の中にも、このお掃除が社業成功のポイントとして挙げている方もおります。掃除を通して、社会奉仕をする項目を、この正精進にしてみるのは極めて大切な、ポイントだと思います。

⑦ 正念:正しく念じる。仏教の正念は、お経を覚えることなどが含まれますが、夢実現のための八正道では、正しい夢それ自体を目指します。夢実現の方法として、ビジュアライゼーションが言われています。夢の実現をありありと心に描くことです。これは、希望実現の鉄則と言ってもよいでしょう。ここで大切なのは、正しい夢ということです。夢に正しいも間違ったものもあるのかという疑問もあるでしょうが、これこそが、正見の基礎だとも言えます。即ち、あなたの夢が、本当にあなた自身を幸福にしますかということです。一般に、成功はよいことだと言われていますが、成功して、不幸になったという方もいるようです。起業して成功したのはいいけれど、家族を顧みず、家庭はバラバラ、離婚の危機にも見舞われる、ということはありませんか?正しい夢とは、夢を実現することにより、自分自身の魂の向上があり、周りの人々をも幸福にする夢のことです。夢を持つにあたり、この点を十分に考えた後で、実現の努力をしてください。

正定:正しい精神統一。これは夢実現のための八正道の実践自体を指します。毎日、就寝前に、八正道(反省)について、正見から正念までを振り返ります。ここに、夢実現の知恵を得る秘密があります。この反省瞑想により、夢実現のための知恵を得ることができるのです。これこそが、現代的な八正道による悟りではないでしょうか。この八正道を通し、夢を実現しようと思う心、実現を通して、他の人をも幸福にしようと思う心自体が、本当の自分自身であり、八正道を通して、夢を実現し、自らの本当の姿を、心自体だと気づくことが、この地上に生きる目的であったことを悟るのです。この、悟りの喜びをぜひ体得していただきたいものです。

以上が、現代的夢実現のための八正道の説明でした。

夢実現の方法(10)

<感謝と精進>

さて、夢実現の方法の最後の章になりましたが、ここで、最後の夢実現の方法の最終ポイントとなります。それは、感謝と精進です。何か、仏教的な香りのするものではありますが、信仰ということに強くかかわってきます。前節で、歴史的な偉人は、ほとんどの方々が信仰を持っていたと述べましたが、彼らの生き方は、信仰者そのものと言っても過言ではありません。信仰者というと、何か、教会で祈りをささげているような姿を思い浮かべますが、本来の信仰者とは、神の願いである、人類の幸福のために生涯を捧げるという方が、より近いものだと言えます。

人間が動物と一番違うところは、人間には夢がある、理想があるということです。そして、これは、人間が神に近い存在であるということの意味でもあるのです。夢を描く力は、神から与えられた大きな贈り物であります。また、神の属性である、創造力の一つの形でもあり、本来、私たちが神から分かれ出てきたものであることの証明でもあるのです。

キリスト教において、聖書の中でイエスはこのように述べています。「汝が心に願いたることはすでに受けたりと信ぜよ」と、夢実現の根源を伝えています。また、仏教においては、「仏を信じるときに、その法を行じるときに、数多くの偉大なる業績が出るであろう」とも言われております。

現代においては、夢実現、自己実現の方法は数多く提唱されていますが、その本質を述べたものは少ないと思います。自分の幸福、自分の利益のためだけの夢実現は、正しい夢実現の方法とは思えません。さらに、神仏の存在を抜きにして考える夢実現の方法も、本質に触れることはないでしょう。本来夢実現の方法は、神の理想実現の一つの表れであるということです。

この夢実現の方法の前提であり、結論である信仰というものをもとに、大切なことが、感謝と精進なのです。現に、小さな夢実現で終わってしまう人の傾向は、すぐに慢心してしまうということです。全てを、自分の力で実現させたと思う人は、どうしても簡単に出来上がってしまいます。見えない世界の助力を得ているという思いがないからです。過去の偉人たちはみな謙虚です。それは、常に大いなるものに助力を得ていると感じていたからです。彼らは、成功すればするほどに、夢実現すればするほどに、感謝の心が湧き上がってくるのです。成功しても、「これは、私がやったのだ。当然のことだ」と、他人や、神仏に感謝できないようであれば、やがてその成功も、繁栄も枯れていくものなのです。

信仰とは、神仏と一体となりたいと思う心です。神仏のようになりたいと思う向上心です。だからこそ、本来の夢実現の方法は、夢実現を通して、自らが神仏に近づくための方法なのです。それ故に、無限の努力精進を伴います。そして、一歩でも神仏に近づけた暁には、魂の喜びがそこにあるのです。だからこそ、自然と感謝の心がわいてくるのです。夢実現の方法に、感謝と精進があれば、それは、神仏に近づく向上の方法であり、信仰心そのものと言ってよいでしょう。夢実現を通して、信仰に出会っていただくことを心より願っております。

誰にも、信仰の本能があります。夢実現のなかに、自らの向上、他社の幸福を願う心を発見できたとしたら、それが、信仰の本能であり、私たちが神の子であることの何よりの証であるのです。

夢実現の方法(9)

<思いこそがあなた>

「人間は、自分の考えている通りのものになる」と言われています。これは、お釈迦様もソクラテスもマルクス・アウレリウスも言っています。近代では、エマソンなどの哲人や心理学者のウィリアム・ジェームスも言っています。「人間というものは、その人が考える通りのものである。自分の考えているところのものが、自分自身なのだ。人はその人の思う通りの人間になる。あなたが考えているところにあるものが、あなた自身なのだ。」したがって、あなたの描く夢は、あなた自身でもあるのです。どのような夢を描くかが、あなた自身だとすると、あなたの未来は、あなたの夢によって決定されると言ってもよいのです。

数多くの発明をもとに人々を幸福にしたいという夢を描けば、あなたはエジソンのようになります。悟りを開き、人々を苦しみの彼岸から、幸福の此岸へと導きたいという夢を持てばお釈迦様のようになります。毎年、200本のヒットを10年間続けるような大リーグ選手になりたいという夢を持ち続ければ、イチローのようになります。夢こそが、私たちを変容させる原動力になるのです。どのような自分になるのかは、どのような夢を持つかにかかっています。より望ましい自分になれるような夢を持つことが、夢実現のモチベーションにもなるのです。

また、この事実を信じるということが、大切です。知識で、知っていたとしても、実際に行動に移すためには、信じるという行為が大切です。世の中の多くの偉人たちは、夢によって自己変容を遂げてきた人たちです。夢を持つことは簡単ですが、夢を持ち続けることは容易ではありません。夢を持ち続けるためには、信じる力が必要です。自分が思う通りの、夢を実現できるような人間になれると信じることが、夢実現の秘訣でもあるのです。

歴史上の偉人たちは、夢実現の大家であります。彼らは、人類にとって大きな幸福をもたらすために、大きな夢を描き、それを実現してきた人たちのことです。その意味で、夢実現のエキスパート、体現者であるのです。その彼らのほとんどが信仰者でもあったということです。科学の発展に寄与した、ニュートンはクリスチャンであり、神学者でもあり、聖書の研究もしていました。ガンジーはヒンドゥー教徒でした。スティブジョブスにしても、禅に心酔し、神の存在、死後の存在をも信じていました。エジソンは、信仰と科学について次のように述べています。「至上の権能者(神)の存在を否定するというなら、自分の知識をないがしろにするにも等しい。科学と信仰とは同一の源から出ているのであり、決して互いに矛盾したり衝突したりすることはあり得ない。」ニュートンやエジソンのような科学者であっても、神の存在を信じていました。そんな彼らだからこそ、人類の幸福のために、学び、夢を描き、実現させてきたのではないでしょうか。

ここに述べられている夢実現方法は、仏教やキリスト教、過去の偉人たちが実践してきた方法です。神という存在を信じるからこそ、この夢実現の方法に、大きな影響力を与えるのです。信じる力、心の力を利用した夢実現の方法なのですから、信じることなくしてその効力は発揮できません。

さて、あなたはこの夢実現の方法を信じますか、それとも、別の方法で実現いたしますか?

夢実現の方法(8)

<信念の力>

信念とは、信じ、念ずることです。即ち、夢の実現を確信し、実現させることのみに思いを集中させると言うことです。

夢が大きい場合には、多くの人々の協力が必要になってきます。今では大企業となった会社であっても、創業時には小さいのが通常で、経営者の信念が強ければ、そこに共感する人が集ってくるのです。固い信念をもって、夢実現に邁進する人は、磁石のように周りの人々を呼び寄せ、事物を引き寄せることができるのです。信念を持っている人の周りには、人が集まってきます。この人についていくと何かいいことがあるんじゃないかと思えてくるのです。引き寄せの法則もここに力を発揮します。即ち、成功者は成功者を引き寄せ、失敗者は失敗者を引き寄せます。固い信念で、夢実現を確信している人の周りには、夢実現を援助できる優秀な人たちが引き寄せられてくるのです。

アップルのスティーブ・ジョブズなどはよい例です。ジョブズとウォズの2人のスティーブで始めたパーソナルコンピュータービジネスは、真にクールな製品を作りたいというジョブズの信念とウォズの技術で、現在のアップルを築き上げたのです。ビジネスを始めた当初、たった二人で始めた会社には資金も人材もなく、初期の製品であるアップルIIの開発には、ヒューレット・パッカードなどの一流企業から優秀な人材を呼んで来るのはジョブズの役目でした。「僕らはここで未来を創っているんだ。僕らと一緒に宇宙に衝撃を与えてみないかい?」などと、情熱的な言葉で、エンジニアを口説いたわけです。資金も同じように、マーケッターのマークラとの事業計画策定の中で、ジョブズの信念に感化され、資金とマーケティングの知識を提供することになったのです。このようにジョブズの周りにはしだいに多くの優秀な協力者が集まってきたのです。

それでは、夢実現の原動力となる信念の力を強めるにはどうしたらよいでしょうか。それには小さな成功を積み重ねることです。信念は、行動を誘起させますが、行動は信念を強める働きをするものです。小さな成功をもたらすための行動を起こすことが、信念を強いものにするのです。さらに、鮮明なビジョン、あるいは、目標設定によって、強力な指示を与え、方向性を与えることによって、信念の力は強くなります。方向性、目標を与えることによって、エネルギーが集結してくるわけです。エネルギーが集中することによって、物理的な力、物体を創造する力となって、現象化してくることがあります。これが、信念の力です。ある目標に向けて思いを集中させるということは、投げ縄と同じ効果があるのです。目標物に輪がかかると、縄は、その目標物を身近に手繰り寄せることができるのです。これが、信念の力の物理的顕現のメカニズムなのです。

インド独立の父と呼ばれたマハトマ・ガンジーも信念の人と呼ばれた偉人の中の一人です。非暴力・不服従を唱え、インドを独立へと導いた人です。彼は、驚くほど偉大な信念を持っていました。彼は、お金も、家も、一着の着物さえも持っていませんでした。しかし、彼は信念の力で、インド2億人の心を揺さぶり、人々を独立へと導くことができたのです。信念は、人の心を奮い起こさせます。一人一人の心に火をつけ、周りの人々に伝搬する力を持っているのです。大きな、成功を目指すためには、この信念の力が必須です。

この信念の力は、時代を超えて影響力を持ちます。ここアトランタが輩出した偉人、マーチンルーサーキングJRもマハトマガンディーに影響を受けた一人です。非暴力抵抗の固い信念は、キング牧師の公民権運動にも影響を与え、キング牧師の博物館には、今でも、ガンディーの写真や、彫刻が残されています。

夢実現の方法(7)

<チャンスを逃すな>

チャンスの女神は前髪だけがあって、後ろ髪がないと言われています。ですから、チャンスが来た時に、逃さず前髪をつかんでしまわなければ、通り過ぎた後では、もう後ろには髪はないので、つかむことができません。何とも変わった女神さまですが、チャンスの本質を述べたものだと思います。

このチャンスを掴むか、掴まないかで、夢実現の可能性は大きき違ってきます。チャンスをうまく捕まえる人は、思いもよらないほどに、夢実現に向かっていきます。イーロンマスクは現代の経営者の一人ですが、チャンスを掴むのが上手で、大きく成功した人物の一人です。彼は、スタンフォード大学の大学院で材料工学と物理学の博士号を取る予定でした。しかし、わずか2日でスタンフォードを中退したのです。ネットサービスをしている営業マンたちが、ネットのことをよくわかっていないと知り、そこにビジネスチャンスがあるのではと、決断したのでした。時は、1995年インターネットが急速に広がり始めた年です。イーロンマスクは、その後ネット銀行の基礎となるPAYPALを大成功に導いた人物です。その後も、ご存知のように、チャンスを掴み続け、電気自動車、ロケット事業などにチャレンジしていったのでした。

チャンスを掴むにはイーロンマスクのように決断力と行動力が必要です。チャンスというのはやはり時期というのがあります。そして、その時期を掴んでしまわないと、もう2度と戻ってこないものです。ですから、まずは、チャンスを掴むのには決断力と行動力が重要だということを知識として知っておく必要があります。それを知らないと、みすみすチャンスを逃し、夢実現からは遠くなってしまうのです。

また、チャンスというものは最初はとても小さいものであることが多いようです。わらしべ長者のお話を皆さんもご存知でしょう。そのお話の中で、最初に与えられたのは、どこにでも落ちているようなたった一本のわらしべでした。それを会う人ごとに忍耐強く交換し続け、最後には長者へとなり上がっていったのです。チャンスと思えないような小さなチャンスを掴み、大きく育てていく忍耐が必要なのです。

そもそも、小さなチャンスを掴むのにも秘訣があります。それは、思いを集中させておくことです。夢の実現を常に心にとめて、何とか実現しようと考え、新聞や雑誌、すべての情報の中で求め続けることです。意識を夢実現の一点に集中していると、たとえ小さなチャンスでも見逃すことはありません。どんなところに情報が転がっているかわかりません。思いの集中が大切なのです。

私の夢はアメリカでのセミナー講師でした。まだ日本にいたころは、アメリカでのセミナーの準備として、英語はもちろんのこと、あらゆる準備を心掛け、実現のためには、あらゆるチャンスを捕まえることを決意していました。一度はニューヨークへの赴任のチャンスがありましたが、残念ながら、逃してしまいました。あきらめず、手を上げ続けているうちに、カナダへの赴任チャンスがあったので、迷わず、応募しました。結局、今は、アメリカ・アトランタの地で、セミナー講師をしていますが、カナダからハワイ経由で、ロサンゼルスの赴任を実現することができました。あの時、カナダだからと躊躇していたら、今の自分はないように思います。自分でもよくチャンスを捕まえたと、褒めてあげたいくらいです。チャンスは、望む姿と違った形で表れてくることがあるので、想像力を働かせ、現在のチャンスの中から、自分の望む夢への道筋をよく考えておくことも大切です。

夢実現の方法(6)

<夢実現のための行動計画>

夢実現テクニックとして、明確なビジョンを描くことは、実現への第一歩であり大きな力ですが、それだけでは十分であると言えません。ビジョン化だけで、時には、実現するかもしれませんが、やはり、人格形成を伴う夢実現のためには、努力、行動することが必要です。

行動することの重要性は、トニー・ロビンスなどのコーチング・コンサルタントや、実際に成功したセレブの方々が口にすることです。Visualize your dream and make it happen. Just do it!夢を描くだけではなく、行動せよと言われるのです。しかし、多くの人々が、どう行動すればわからず、行動できないでいます。しかし、むやみに行動しても、結果は現れません。無駄な努力ということです。

まず、最初にすべきは、行動計画の作成です。簡単に言えば、どのような行動をすれば、夢を実現できるかを考えることです。しかし、通常、夢はまだ実現していないからこそ夢であり、実現したことのない人間がチャレンジするのですから、そう簡単にはいきません。通常はトライアンドエラーを繰り返すものです。彼のエジソンですら、最適な電灯用フィラメントを作成するまで、1万を超える実験をしたのですから。しかし、すでにあなたの描いている夢を実現している人がいるとしたらどうでしょう?例えば、ミリオネヤーになりたいという夢でしたら、世の中には数多く存在しますし、成功物語もその数だけ出版されているでしょう。まずは、先行者の情報をできる限り集めることです。できれば、実際の先人の指導を受けることができれば、夢実現の大きな力になるでしょう。メンターと呼ばれる存在を見つけ、師事することができれば、夢は実現に大きき近づいていると言えます。

日本の伝統工芸など、あるいは、音楽、芸術などは、どのメンターに師事するかしないかで、結果も変わってくるでしょう。よく事前に調査し、自分に合ったメンターを探し出してください。

インターネットビジネスでは多くの人々が一獲千金を求めて、ノウハウや商材を求め続けます。しかし、彼らの中で、成功を得るのはごくわずかです。たとえ、再現率100%をうたったものでも、実際に利益が出ないのが大多数です。そんな中で、成功している人たちは、すでに成功しているネットビジネスの巨匠たちに師事する人達です。結果を得るためには、メンターについて努力することが大切です。素直に行動できる人は夢を実現します。しかし、メンターの言うことを100%受け取らず、自分なりに始めてしまうと、失敗することが多くなります。メンターに師事したら、素直に従って行動するということが大切なようです。

いままで、誰もが実現したことのないような夢であれば、実現のアイデアを創造するしかありません。ブレーンストーミングで、多くの人のアイデアを借りることもよいし、自らの知恵を絞って考え抜くこともできます。とにかく行動レベルに降ろせる実行計画を作ることが最優先です。

「一流の達成力」(原田隆史・フォレスト出版)にあるオープンウィンドウ64という手法は秀逸です。これは、マンダラのような目標を達成するためのシートです。8かける8のマスの中心に叶えたい目標を書き、それを叶えるための手段を周りの枠に書き込んでいく方法です。そうすることによってやるべきことが具体化され、顕在化されてくるのです。日本ハムの大谷投手が高校生時代に活用したことで有名です。

この行動計画を立てるにあたって、最後に伝えておきたいのは、行動を習慣化することです。人間の意志の力は、強いようで、長続きしないのも真実です。そんな場合、行動を意志の力ではなく、習慣の力で実行することです。朝起きて、歯を磨き、顔を洗うことくらいは何ら困難を感じないでしょう。習慣化させ、時に、反省し、行動が実際に夢に近づいているかをチェックし、夢実現に向けて修正していくのです。この習慣化に成功したら、その行動はあなたの人格となって構築されていくのです。

夢実現の方法(5)

<夢実現が同時に周りの人の幸福を伴うこと>

夢実現のカギとなるものがいくつかあります。まずは、夢実現のモチベーションを高めるということです。ここで、重要なのが、夢実現の時に、自らの喜びだけではなく、例えば、両親だとか、伴侶だとか友人知人など、周りの人々をも、幸福に導く夢を目指したら、どうしても達成したいと思うのが人間の習性です。自分自身のためだけの夢の場合、傾向としてエゴイスティックになってしまうことがあります。夢を描く時点で、その達成の暁には、多くの方の幸福を伴うようでしたら、必ず実現すると言っていいでしょう。大勢の人のお役に立っていると感じるとき、限りない幸福感を味わうこともできます。人の幸福のために努力するとき、多少の苦しみも、ものともせずに突き進んでいくエネルギーがわいてくるのです。

また、多くの人が幸福になるということは、大きな報酬を得られるということもあるのです。素晴らしい料理人になって、両親に美味しいものを食べさせたいという夢から、より多くの人に食べていただけるようレストランオーナーとなって料理を提供するという夢。さらには、全世界の人々に美味しい料理を提供できるチェーン店を経営するというように、幸福な人が増えれば、それだけ大きな報酬を得ることにもなります。より多くの人々の幸福に貢献することが、大きな成功の秘訣です。

また、大きな成功を得るには、多くの人々の協力が必要となります。協力者を得るためには、夢実現に大きな魅力が必要です。その夢実現に私も参加してみたいという夢でなければ、協力者は現れません。イーロンマスクが創設したテスラモーターは、電気自動車の普及という夢を実現しつつある会社です。排ガスのない環境にやさしい車という夢は、多くの技術者や投資家の参加を促し、顧客も喜んで高価な車を買うという善の循環になっています。特に、アメリカののセレブが最も購入している車がこのテスラです。メルセデスベンツとかBMWではないんですね。そして、ついには、資産価値としてテスラモーターはGMをも抜いてしまいました。イーロンマスクの夢はさらに広がります。宇宙ビジネスへの参入です。商業ロケットの開発を通し、最終的には、火星まで人を送るという壮大な夢です。現在は、ロケットの再利用を実験中で、通常ロケット発射時には大部分を海に捨ててしまうようなシステムになっていますが、マスクは、そのロケットを再着陸させ、ロケット本体を回収してしまうという計画です。これが成功すれば、ロケットの打ち上げコストは劇的に改善されます。安いコストで、宇宙に出るためにはどうしても実現したい技術すです。NASAであるとかロッキードであるとかいろいろな企業のエンジニアが、いま、大きな夢のために集まってきています。

もう一つ重要なことは、夢実現の方向性が、人格形成に大きくかかわるということです。例えば、夢の実現が、他人を不幸にするようなことがあれば、たとえ、自分自身が幸福感を得るかもしれませんが、それは、真なる幸福とはならず、ほとんど、人格形成にはマイナスになっていることを知らねばなりません。詐欺的なビジネス、ブラックなビジネスはいくら成功しても、最終的に自らの人格を高めることにはなりません。人々の幸福のための夢ならば、努力に応じた、人格形成が可能になるのです。これは、夢本来の力と言ってもいいでしょう。

夢実現の方法(4)

<肯定的・積極的(ポジティブ)思考>

前節で、夢の実現を妨げる否定的な考え方を発見しました。夢実現のためには、この否定的な考え方を取り除く必要があります。しかしながら、否定的な考え方を取り除くことはそんなに容易なことではありません。ここで思い出されるのが、大工さんの仕事です。古くなって抜けなくなった釘を取り除くには、古い釘の上から新しいくぎを打ち込むことです。同様に、古い考えである否定的な考え方に、新たなる肯定的、積極的な考え方を打ち込むのです。自分の心の中に、何か否定的な考えが浮かんできたら、間髪を入れずに、積極的な考えを打ち込む、そうすれば自然と否定的な考え方が取り除かれます。なぜなら、人は同時に2つのことを考えることはできないのですから。

<まずは、自己像を肯定的にとらえよう>

ポジティブ思考の第1歩は、自らを肯定的にとらえることから始まります。夢が実現できないのは、過去の失敗を引きずり、自分に対して自己信頼がないからです。過去の自分の実績を考えると、どうしても、夢を実現できる可能性を信じることができないのです。この思いをまず変えていきましょう。

過去の自分が、夢を実現できなかったのは、夢実現の正しいプロセスを知らなかっただけであり、正しいプロセスに基づいて、自信を持って行動すれば、必ず叶うのが夢なのです。自信を持つためには、自分の強みを発見し、磨きだすことです。弱みをいくら嘆いたところで、強くなるわけではありません。強みでもって戦えば、自然に自信もわいてくるのものです。世の中の信仰には「人間神の子」「人間には仏と同じ性質(仏性)が宿っている」と言った、ポジティブな思想も含まれているので、その部分を信じるのもよい方法です。

ハーバード大学で面白い研究がありました。知力に関するマインドセット(心構え)の違いで、学業の成功・不成功が決まってくるというものです。学生は大まかに2つのグループに分けられました。1つのグループは固定したマインドセットを持つ人の集まりで、知力は天性のものである(固定的知力)と考える人のグループです。もう1つのグループは、努力によって知力は磨かれる(成長型知力)と考えるグループです。長年の観察から、成長型知力のグループが、最終的にはより良い成績を残しているという事実です。人間は努力によって、教育によって変わるというマインドセットを持つことが夢実現のためのポジティブな考え方の一つなのです。

<言葉の創化力>

また、肯定的な手法の一つとしてアファーメーションというものがります。肯定的な言葉を思いを込めて発するという手法です。欧米では、神は言葉によって世界を作られたと信じられているように、言葉の力をよく利用します。日本でも、言霊と呼ばれるように、言葉には力があるという教えです。「私は夢を実現するぞ」と宣言してみてください。毎日毎日、少しでも否定的な思いが出てきたら、力強い言葉で、吹き飛ばしてください。そうすれば夢は必ず実現します。

さらに、積極思考の大家ノーマン・ビンセント・ピールは肯定的祈りを勧めています。祈りとは、信仰における神と一体となる行為です。神と一体となるとは何ともポジティブな考え方です。神と一体となったなら、夢が実現しないわけがありません。なにせ、神は全知全能の存在なのですから。「神よ、私は、この夢の実現を祈ります。夢実現のために、日々を愛の気持ちで過ごします。神よ、夢実現をお許しください、本当にありがとうございます。」これで、夢実現は間違いありません。何しろ、神様が味方なのですから。

夢実現の方法(3)

<夢実現を妨げるネガティヴ思考を発見せよ>

前にも述べましたが、潜在意識下で望むことが実現してきます。ですから、たとえ、表面意識で夢を実現しようと思っていても、心の奥底で、即ち潜在意識が否定的なら、その夢は実現しません。この否定的な考えを取り除くことが、夢実現のポイントですが、取り除くためには、まず発見することから始めます。

否定的な考えには何があるでしょうか。

   夢実現を疑う心。夢を実現するためには、まず心を定めることが大事です。夢を実現するのだという強い思いが大事です。疑う心を持っては実現しません。

   言い訳する心。夢を実現できない人は、悲観的、自分の悪いことばかりを思い浮かべる人です。「自分には経験がないからできない」「お金がないからできない」「能力がないからできない」言い訳ばかりの人は、夢実現の対極にある人です。

   夢実現を恐れる心。こんな人がいるのかと不思議に思うのですが、夢実現を恐れる人がいるのです。例えば、宝くじが当たったら、もしかしたら、皆に嫌われるのではないか。泥棒に入られたらどうしようか、心のどこか奥底に夢実現の恐れを持つ人は結構いるのです。

   現実的な心。これは、THINK BIGに相対する考え方です。現実的に考えたら、こんなの実現できるわけないよな。。現実は過去の延長であり、また、周りの人の常識的な考えであったりして、ある意味、とてもネガティブな心です。

これらは、代表的な否定的な考え方ですが、これ以外にも、不可能思考、自己憐憫など数々の否定的な考え方が存在します。

 

<否定的な心を発見する反省方法>

この否定的な考え方を発見することは容易ではありません。考え方自体が外に現れない限り、目に見えないものですし、自分の考えネガティブかどうかは、いったん自分を離れてみないと見えないものです。例えば、自分が大きな船に乗って、太平洋の真ん中を移動しているときに、自分は果たして動いているのだろうかかという疑問があります。船から視点を離し、どこかの島から自分を見れば、確かに動いているのが分かります。そのように、自分の視点からいったん離し、自分自身の心を見つめる方法を反省というのです。

反省の中にも、八正道と言われる仏教の基本教義があります。この八正道には、8つの点検項目があり、否定的な考え方は、その点検項目の一つ正見にあたります。これは正しいものの見方というものですが、この正見も簡単ではありません。そこで、八正道の他の点検項目を見てみると、正思、正語、正業という点検項目を見ることができます。

正しい思い(正思)、正しい言葉(正語)、正しい行い(正業)は、正見と連動しており、正しいものの見方から、正しい思いが生じ、正しい見方から、言葉や行いが現れるということです。具体的には、否定的な考え方からは、マイナスの感情(不安、恐れ、絶望)や、否定的な言葉や、夢を実現しないような行動が現れるのです。従って、自分の否定的な感情、言葉、行動を観察すれば、否定的な考え方を発見できるのです。

心を見つめて反省するためには、まず、この世的な雑音から逃れ、静かに心を見つめられる場所に身を置きます。静かな山間や、水辺などは古くから好まれて瞑想する場所とされれていますが、日常の中で、簡単にはいけないので、自らのお部屋で結構です。静かなクラッシック音楽か、瞑想曲をごく低くかけて、呼吸を整えます。大きく深呼吸することで、心の波立ちが抑えられ、次第に、深いところで、自分を見つめられるようになります。そして、第3者の目で、客観的に、一日、一週間を振り返り、自分の思い、言葉、行動を振り返ります。次第に、自分の姿がはっきり見えてくることでしょう。その状態で、自分が何を思い、何を話し、どんな行動をしたかじっくり観察してください。否定的な考えに基づく、思いや、言葉、行動を発見できるでしょう。

夢実現の方法(2)

<瞑想というビジョンを描く手段>

ビジョンを描く方法として、心の創造力を十分に活用した、瞑想という方法があります。単に、ビジョンを心に描くというのではなく、心の奥深くに、ありありと描く手法です。心理学の世界では、表面意識と、潜在意識という言葉がありますが、この瞑想手法は、ビジョンを潜在意識下に導き、夢の実現を図るものです。

表面意識とは、私たちが、通常考えている部分です。いろいろな思いが、現れては消える。ランダムな思いの集まりです。外界に反応していることがほとんどで、あまり、方向性というものがありません。集中しているときはある程度方向性はあるのですが、その集中が途切れると、なかなかコントロールというのも容易ではありません。

潜在意識とは、人間の意識の90%以上を占めるもので、氷山の水面下にある氷の部分にたとえられます。夢の実現には、この潜在意識の部分が深くかかわっており、表面意識で、夢を実現しようと思っても、潜在意識化でそれを否定するような考えがあると、夢は実現されません。瞑想は、ビジョンを潜在意識下に導き、夢を実現する原動力となります。

心で描いたビジョンは、ある意味、現実と等価であるともいえます。心は、と言いますか、潜在意識に導かれたビジョンは、現実世界と何ら変わりありません。例えば、自己暗示状態で、ストーブをイメージしてそこに手を近づけると、熱さを感じます。従って、瞑想の中で、夢が実現された状態をイメージすると、イメージと現実の区別がつきにくい状態になります。そうした場合、実現の時の喜び、感激等を味わうことができるのです。こうして、喜びを感じるようになると、夢を実現したいというモチベーションが強くなるのです。

ほとんどの人は、一時期夢を実現したいと思っても、その思いを継続することがむつかしいです。この思いの継続を強めるためにも、夢が達成されたときの喜びをモチベーションの維持にすることができるのです。

<夢の内容の選択>

夢の実現のためには、夢の選択が重要です。本当に実現したい夢は実現するものです。しかし、ほとんどの人が夢が実現できていないのは、「夢が実現できたらうれしい」くらいの、思いでしかありません。例えば、ハワイでクルーザーを所有して、バケーションを過ごしたいという夢があるとします。本当に、実現したいと思ったら、ハワイでの居住費用や、クルーザーの値段くらいは調べるでしょう。また、ハワイに住んでクルーザーを持つのは時間かかるかもしれないけれど、ハワイに行って、クルーザーに乗るくらいは数十万円あれば、すぐにでも実現できます。それをしないのは、本当に望んでいる夢ではなく、その奥にある、願望の一端としてのハワイであるのではないでしょうか。そして、その奥にある願望とは、ハワイに行ってクルーザーを所有できるほどの豊かさではないでしょうか。そのことをしっかり認識していないと、本当に実現したい夢とは言えません。さらに言えば、その夢が、人生の目的と言えるくらいの内容であれば、必ず実現したいと思うのではないでしょうか。

歴史上、夢を実現してきた偉人は数多くいます。その場合、ほとんどが、夢の実現を職業にしてきた人だということができます。仕事と自分の夢が違うということは、その夢は、人生の目的ではないということです。なぜなら、仕事は私たちの人生そのものでもあるからです。その意味から、夢を選択するときには、自らの職業の延長線上にあることが、実現の可能性が高いということです。その時、あなたの仕事は、天職と呼ばれることになるでしょう。天職を通して実現される夢は、深い深い魂の喜びを伴います。また、夢中になって働くことも可能なのが天職なのです。