夢実現の方法(3)

<夢実現を妨げるネガティヴ思考を発見せよ>

前にも述べましたが、潜在意識下で望むことが実現してきます。ですから、たとえ、表面意識で夢を実現しようと思っていても、心の奥底で、即ち潜在意識が否定的なら、その夢は実現しません。この否定的な考えを取り除くことが、夢実現のポイントですが、取り除くためには、まず発見することから始めます。

否定的な考えには何があるでしょうか。

   夢実現を疑う心。夢を実現するためには、まず心を定めることが大事です。夢を実現するのだという強い思いが大事です。疑う心を持っては実現しません。

   言い訳する心。夢を実現できない人は、悲観的、自分の悪いことばかりを思い浮かべる人です。「自分には経験がないからできない」「お金がないからできない」「能力がないからできない」言い訳ばかりの人は、夢実現の対極にある人です。

   夢実現を恐れる心。こんな人がいるのかと不思議に思うのですが、夢実現を恐れる人がいるのです。例えば、宝くじが当たったら、もしかしたら、皆に嫌われるのではないか。泥棒に入られたらどうしようか、心のどこか奥底に夢実現の恐れを持つ人は結構いるのです。

   現実的な心。これは、THINK BIGに相対する考え方です。現実的に考えたら、こんなの実現できるわけないよな。。現実は過去の延長であり、また、周りの人の常識的な考えであったりして、ある意味、とてもネガティブな心です。

これらは、代表的な否定的な考え方ですが、これ以外にも、不可能思考、自己憐憫など数々の否定的な考え方が存在します。

 

<否定的な心を発見する反省方法>

この否定的な考え方を発見することは容易ではありません。考え方自体が外に現れない限り、目に見えないものですし、自分の考えネガティブかどうかは、いったん自分を離れてみないと見えないものです。例えば、自分が大きな船に乗って、太平洋の真ん中を移動しているときに、自分は果たして動いているのだろうかかという疑問があります。船から視点を離し、どこかの島から自分を見れば、確かに動いているのが分かります。そのように、自分の視点からいったん離し、自分自身の心を見つめる方法を反省というのです。

反省の中にも、八正道と言われる仏教の基本教義があります。この八正道には、8つの点検項目があり、否定的な考え方は、その点検項目の一つ正見にあたります。これは正しいものの見方というものですが、この正見も簡単ではありません。そこで、八正道の他の点検項目を見てみると、正思、正語、正業という点検項目を見ることができます。

正しい思い(正思)、正しい言葉(正語)、正しい行い(正業)は、正見と連動しており、正しいものの見方から、正しい思いが生じ、正しい見方から、言葉や行いが現れるということです。具体的には、否定的な考え方からは、マイナスの感情(不安、恐れ、絶望)や、否定的な言葉や、夢を実現しないような行動が現れるのです。従って、自分の否定的な感情、言葉、行動を観察すれば、否定的な考え方を発見できるのです。

心を見つめて反省するためには、まず、この世的な雑音から逃れ、静かに心を見つめられる場所に身を置きます。静かな山間や、水辺などは古くから好まれて瞑想する場所とされれていますが、日常の中で、簡単にはいけないので、自らのお部屋で結構です。静かなクラッシック音楽か、瞑想曲をごく低くかけて、呼吸を整えます。大きく深呼吸することで、心の波立ちが抑えられ、次第に、深いところで、自分を見つめられるようになります。そして、第3者の目で、客観的に、一日、一週間を振り返り、自分の思い、言葉、行動を振り返ります。次第に、自分の姿がはっきり見えてくることでしょう。その状態で、自分が何を思い、何を話し、どんな行動をしたかじっくり観察してください。否定的な考えに基づく、思いや、言葉、行動を発見できるでしょう。

夢実現の方法(2)

<瞑想というビジョンを描く手段>

ビジョンを描く方法として、心の創造力を十分に活用した、瞑想という方法があります。単に、ビジョンを心に描くというのではなく、心の奥深くに、ありありと描く手法です。心理学の世界では、表面意識と、潜在意識という言葉がありますが、この瞑想手法は、ビジョンを潜在意識下に導き、夢の実現を図るものです。

表面意識とは、私たちが、通常考えている部分です。いろいろな思いが、現れては消える。ランダムな思いの集まりです。外界に反応していることがほとんどで、あまり、方向性というものがありません。集中しているときはある程度方向性はあるのですが、その集中が途切れると、なかなかコントロールというのも容易ではありません。

潜在意識とは、人間の意識の90%以上を占めるもので、氷山の水面下にある氷の部分にたとえられます。夢の実現には、この潜在意識の部分が深くかかわっており、表面意識で、夢を実現しようと思っても、潜在意識化でそれを否定するような考えがあると、夢は実現されません。瞑想は、ビジョンを潜在意識下に導き、夢を実現する原動力となります。

心で描いたビジョンは、ある意味、現実と等価であるともいえます。心は、と言いますか、潜在意識に導かれたビジョンは、現実世界と何ら変わりありません。例えば、自己暗示状態で、ストーブをイメージしてそこに手を近づけると、熱さを感じます。従って、瞑想の中で、夢が実現された状態をイメージすると、イメージと現実の区別がつきにくい状態になります。そうした場合、実現の時の喜び、感激等を味わうことができるのです。こうして、喜びを感じるようになると、夢を実現したいというモチベーションが強くなるのです。

ほとんどの人は、一時期夢を実現したいと思っても、その思いを継続することがむつかしいです。この思いの継続を強めるためにも、夢が達成されたときの喜びをモチベーションの維持にすることができるのです。

<夢の内容の選択>

夢の実現のためには、夢の選択が重要です。本当に実現したい夢は実現するものです。しかし、ほとんどの人が夢が実現できていないのは、「夢が実現できたらうれしい」くらいの、思いでしかありません。例えば、ハワイでクルーザーを所有して、バケーションを過ごしたいという夢があるとします。本当に、実現したいと思ったら、ハワイでの居住費用や、クルーザーの値段くらいは調べるでしょう。また、ハワイに住んでクルーザーを持つのは時間かかるかもしれないけれど、ハワイに行って、クルーザーに乗るくらいは数十万円あれば、すぐにでも実現できます。それをしないのは、本当に望んでいる夢ではなく、その奥にある、願望の一端としてのハワイであるのではないでしょうか。そして、その奥にある願望とは、ハワイに行ってクルーザーを所有できるほどの豊かさではないでしょうか。そのことをしっかり認識していないと、本当に実現したい夢とは言えません。さらに言えば、その夢が、人生の目的と言えるくらいの内容であれば、必ず実現したいと思うのではないでしょうか。

歴史上、夢を実現してきた偉人は数多くいます。その場合、ほとんどが、夢の実現を職業にしてきた人だということができます。仕事と自分の夢が違うということは、その夢は、人生の目的ではないということです。なぜなら、仕事は私たちの人生そのものでもあるからです。その意味から、夢を選択するときには、自らの職業の延長線上にあることが、実現の可能性が高いということです。その時、あなたの仕事は、天職と呼ばれることになるでしょう。天職を通して実現される夢は、深い深い魂の喜びを伴います。また、夢中になって働くことも可能なのが天職なのです。

夢実現の方法(1)

<ビジョンを描く>

自己実現の大家、ナポレオンヒルは「思考は現実化する」と言っています。思考というと少し難しいのですが、それをビジョンと言い換えることもできます。夢実現の法則の中心は、夢を具体化して、視覚的なビジョンとして描きだし、日々それを強く念じていると、まったく思いがけないような方法で、実現化されるという法則です。

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以前、この方法を知って間もないころ、ソニーのウォークマンが欲しくて、日々ウォークマンを持って颯爽と歩く自分の姿を描いていましたが、誰からももらえませんでした。結局、自分の小遣いで買ってしまい、夢実現の法則なんかあてにならないものだなと思った記憶があります。でも、今考えれば、実際、夢は実現していたのですね。

人間の心には創造作用がありますが、何を創造するかについては、やはり設計図や、青写真が必要です。その設計図や、青写真にあたるのが、このビジョンです。心の中に描くビジョンをもとに、夢は実現されていくのです。

このビジョンを日々強く念じるための工夫は必要になります。なかなか、このビジョンを継続することがむつかしいからです。このビジョンの継続の方法として、いろいろ方法が考えられています。

本田健さんが提唱されている「宝地図」もその一つです。それは、「大きなコルクボードに自分の夢を書き込み、、イメージや写真を貼っていく。それを部屋に飾って、毎日眺めるのです」。最近は、PCの写真加工技術も簡単になっているので、夢実現の様子を、写真で合成してしまうことも可能です。例えば、ダイヤモンドヘッドの前で、海を眺める自分の姿とかを、ハワイの映像と、自分の姿を合成して、毎日眺めるだけです。簡単なので、試してみてはいかがですか。

<大きく描く>

ビジョンを描くことが、夢実現の第一歩ですが、どうせなら、大きなビジョンを描きましょう。小さなビジョンでは、達成されたとしても、喜びも大きくならないではないでしょう。反対に、大きすぎる夢は、実現できないから、実現可能なレベルの夢にすべきという人もいますが、自分の描いた以上の夢の実現はむつかしく、たとえ、大きな夢が実現しなかったとしても、精いっぱいの夢の実現ができるでしょう。ノーマン・ビンセント・ピールの言葉に、“Shoot for the moon. Even if you miss, you’ll land among the stars「どうせ目指すなら月を目指しなさい。失敗したとしても、どこかの星の間には着陸できるでしょう。」

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ドナルド・トランプも常にTHINK BIGと言っています。夢が大きいからこそ、達成したくなるのであり、チャレンジもできるのです。夢の実現は、別な観点からの自己成長の表れでもあるのです。夢が実現できるということは、夢を実現できる自分に成長することだと言えます。自の成長を伴わないようなレベルの夢では、夢を実現する甲斐がないというものです。THINK BIG、でっかく考えろ、でっかい夢を描け、これそが、夢実現の秘訣なのではないでしょうか。

それでも、大きな夢を描くには抵抗があるという人には、大・中・小の夢を描くことをお勧めします。大きすぎると実現性がなく、小さすぎると大成することはありません。この3つの夢を持っておけば安全です。小さな夢を実現しつつ、次第に、中くらいの夢、弾みがついて、ついには大きな夢実現というように、段階的に手順を踏む夢実現の方法は、とても合理的で、確実です。その夢に応じて、自分の発展的姿を対応させるとより効果的になると思います。