夢実現の方法(2)

<瞑想というビジョンを描く手段>

ビジョンを描く方法として、心の創造力を十分に活用した、瞑想という方法があります。単に、ビジョンを心に描くというのではなく、心の奥深くに、ありありと描く手法です。心理学の世界では、表面意識と、潜在意識という言葉がありますが、この瞑想手法は、ビジョンを潜在意識下に導き、夢の実現を図るものです。

表面意識とは、私たちが、通常考えている部分です。いろいろな思いが、現れては消える。ランダムな思いの集まりです。外界に反応していることがほとんどで、あまり、方向性というものがありません。集中しているときはある程度方向性はあるのですが、その集中が途切れると、なかなかコントロールというのも容易ではありません。

潜在意識とは、人間の意識の90%以上を占めるもので、氷山の水面下にある氷の部分にたとえられます。夢の実現には、この潜在意識の部分が深くかかわっており、表面意識で、夢を実現しようと思っても、潜在意識化でそれを否定するような考えがあると、夢は実現されません。瞑想は、ビジョンを潜在意識下に導き、夢を実現する原動力となります。

心で描いたビジョンは、ある意味、現実と等価であるともいえます。心は、と言いますか、潜在意識に導かれたビジョンは、現実世界と何ら変わりありません。例えば、自己暗示状態で、ストーブをイメージしてそこに手を近づけると、熱さを感じます。従って、瞑想の中で、夢が実現された状態をイメージすると、イメージと現実の区別がつきにくい状態になります。そうした場合、実現の時の喜び、感激等を味わうことができるのです。こうして、喜びを感じるようになると、夢を実現したいというモチベーションが強くなるのです。

ほとんどの人は、一時期夢を実現したいと思っても、その思いを継続することがむつかしいです。この思いの継続を強めるためにも、夢が達成されたときの喜びをモチベーションの維持にすることができるのです。

<夢の内容の選択>

夢の実現のためには、夢の選択が重要です。本当に実現したい夢は実現するものです。しかし、ほとんどの人が夢が実現できていないのは、「夢が実現できたらうれしい」くらいの、思いでしかありません。例えば、ハワイでクルーザーを所有して、バケーションを過ごしたいという夢があるとします。本当に、実現したいと思ったら、ハワイでの居住費用や、クルーザーの値段くらいは調べるでしょう。また、ハワイに住んでクルーザーを持つのは時間かかるかもしれないけれど、ハワイに行って、クルーザーに乗るくらいは数十万円あれば、すぐにでも実現できます。それをしないのは、本当に望んでいる夢ではなく、その奥にある、願望の一端としてのハワイであるのではないでしょうか。そして、その奥にある願望とは、ハワイに行ってクルーザーを所有できるほどの豊かさではないでしょうか。そのことをしっかり認識していないと、本当に実現したい夢とは言えません。さらに言えば、その夢が、人生の目的と言えるくらいの内容であれば、必ず実現したいと思うのではないでしょうか。

歴史上、夢を実現してきた偉人は数多くいます。その場合、ほとんどが、夢の実現を職業にしてきた人だということができます。仕事と自分の夢が違うということは、その夢は、人生の目的ではないということです。なぜなら、仕事は私たちの人生そのものでもあるからです。その意味から、夢を選択するときには、自らの職業の延長線上にあることが、実現の可能性が高いということです。その時、あなたの仕事は、天職と呼ばれることになるでしょう。天職を通して実現される夢は、深い深い魂の喜びを伴います。また、夢中になって働くことも可能なのが天職なのです。

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