無限の富の形成方法(8)

(8)一時間、一日の価値を高めよう
無限の豊かさを形成するには、仕事の生産性を高めることです。これは自分の一回の作業、一時間の時間の値打ちを高めるための工夫をすることを意味しています。一回の作業でできる限り大きな成果を産み出す工夫をし、その成果をその場限りのものとせず、次なる発展へと結びつけてゆくことが大切です。これは、たとえていうならば、鶏に卵を産ませることに成功したならば、単にその卵を売るだけではなく、卵料理にして売り出してはどうか、ケーキ作りのスポンジに使えるのではないか、などと考えてゆくことを意味します。また、高収入の人が、代替的な単純作業に時間を費やしていないかどうかという点検なのでもあります。

時間は有限の資源です。誰にとっても一日は二十四時間であり、組織で働いている人たちの時間を総計しても、人数分以上に増えるものではありません。しかし、発展性の高いものは、どれもみな、常に、「どのようにして時間を縮めるか」というところに視点があります。時間を縮めることによって、発展するのです。

 

この一日の価値を高める方法に、パレートの法則というものがあります。
イタリアの経済学者パレートは、研究の結果、すべてのものは「八十対二十」という比率で分割することが可能だと考えました。これは、百の仕事をしようとするときには、そのうちの二十の部分を押さえると、全体の八十パーセントをするのと同じ効果が現われてくる、というものの考え方です。

私たちは、いろいろな要素が入っている仕事を一日のなかでしています。サラリーマンでもそうです。主婦でもそうです。一日のうちに、いろいろなことをしています。この一日のうちの十時間を労働時間と考えたときに、じつは、この十時間のうちの二時間が最も重要な仕事をしている時であって、その二時間の仕事をすると、全体の八十パーセントが終わったのも同然だという考え方なのです。百パーセントやろうとしたら十時間かかるが、八十パーセントやろうとしたら二時間で済むのです。ここが大事なポイントです。その日の仕事を百パーセントしようとしたら十時間かかるが、八十パーセントしようとすると二時間に詰めることができるということなのです。即ち、今日やらねばならないことを、百パーセントやろうとしたら十時間かかるが、八十パーセントだけやるとしたら二時間ですむ。そうすると、自分の時間を増やす方法が出てくるわけです。

八十パーセントを仕事の限度として二時間を使うとすると、その二時間を内容の違う仕事に順番に使っていけば、二時間かける五、「八〇×五=四〇〇」で、四百パーセントの仕事ができることになります。従って、四倍の仕事ができることになるのです。最も重要な二割の仕事ばかりをこなしていくと、時間を四倍に増やすことができる、そういうことが可能なのです。

ここで、重要な20%とは何かを考えるときに、成果に直結する行動をとるということです。いくら行動しても、成果につながらない行動では意味がありません。それは、重要な仕事とは言えなくなります。ここが難しいところですが、常に、この行動は成果につながっている方向かと、問いかけることは必要だと思います。繋がらなければ、行動を変えて、ただ、熱意を持って行動するのみです。信じて、行動すれば、その時間はとても貴重な時間へと変貌します。迷いながらではなりません。信じて行い、一日の終わりに、反省し、成果につながっていたかを確認し、次の行動計画を立てていきます。

この、Plan-Do-Check-Actionのサイクルを続けることが、また、時間の質を上げ、無限の富を形成する方法でもあるのです。

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