ファーマーズ・マーケットのマーケティング

<われわれの強みは何か>
あらゆる者が、強みによって報酬を手にする。弱みによってではない。したがって、常に最初に問うべきは、「われわれの強みは何か」である。

「乱気流時代の経営」P.F.DRUCKER

<驚くほどの品ぞろえ>

アトランタには数多くのスーパーマーケットがあり、以前、トレーダー・ジョーを紹介しましたが、今回はファーマーズ・マーケットを紹介します。
ファーマーズマーケットと言いますと、野菜ばかりかと思われますが、実際には、国際マーケットと呼んでもよいくらいの、国際色豊かなスーパーマーケットです。野菜も、アメリカの国産野菜に加え、世界各地の野菜が扱われております。特に、アジア系の野菜は豊富で、私たちも、ここでお世話になっております。白菜やシイタケ、長ネギに大根、シメジにエノキ、エリンギなど、鍋料理には欠かせない野菜がここにはあります。通常のスーパーではせいぜい、ナッパか、グリーンオニオンくらいしかありませんので、冬の寒い季節には、よく利用させていただいております。

私の家族が、日常、狙ってくるのは、日本の調味料(ポン酢、かつおだし、鰹節、ソース類)と、薄切り肉、魚類です。魚の種類は、それは、膨大なもので、日本でもよく使われる、マグロ、サーモン、ヒラメ、をはじめ、見たこともない大きな魚とか、エビ、カニがたくさん品ぞろえされています。特に、私は、カニが大好きなので、アラスカンキングクラブ、ズワイガニ、上海ガニ、ワタリガニなどを鍋や、スチームにしていただいております。

エビの種類も豊富です。どのエビを選んだらよいか、本当に迷います。貝類、イカタコ類もここでは大人気です。と言っても、アメリカ人というより、メキシコ人や、他の国々からきている人たちが、対象になります。アフリカ系アメリカ人も魚類はお好きなようで、いつもかなりの量をお買い求めになられるようです。

また、ここには韓国料理のお惣菜とか、キムチ、ビビンバ、なども豊富にそろえております。納豆、豆腐、などの日本の総菜は、日本の3倍くらいとかなり高めですが、ここにしかないので、どうしても手を伸ばしてしまいます。日本酒、マッコリなど、アジア系のお酒も取り扱っています。

アジア以外の国でしたら、ロシアをはじめ、東欧系の食材がたくさん売られています。ウクライナの総菜や、東欧系のチーズ類はその品ぞろえも豊富で、まさに、その国に来たような錯覚にとらわれます。ロシア系のいろいろな缶詰めもありますが、ロシア語で表示されているため、絵からしか判断できず、勇気がいります。

以上のように、ここファーマーズマーケットの強みは、なんといっても、その品ぞろえの豊富さと、国際色豊かなバラエティーさにあります。値段は、他のスーパーマーケットよりもかなり高めに設定してありますが、それでも、普通のアメリカ食材も十分に売れているようです。

もともとは、移民系アメリカ人のためのマーケットでしたが、今は、アメリカ人も、色々の国の食材を求めてやってくるようです。ある時、日本食のコーナーを眺めていると、そこに来たアフリカ系アメリカ人に、味の素の使い方を尋ねられました。「ほう、アメリカ人も味の素使うんだ」と感心したのを覚えています。

私は、旅行に出ると、スーパーマーケットを見て回るのが趣味になっています。酒のつまみを探しているのですが、アメリカのスーパーでは、なかなか新しいものを発見することは稀ですが、この、マーケットでは、いつでも新しいものに巡り合え、家飲みを楽しいものにしてくれます。皆さんも、一度探索してみませんか?

ユニバーサル・スタジオのマーケティング

<明日のために昨日を捨てる>
イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。イノベーションを行う組織は、昨日を守るために時間と資源を使わない。昨日を捨ててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を新しいもののために開放できる。
「マネジメント」P.F.DRUCKER

先日、家族とともに、フロリダ州・オーランドにあるユニバーサル・スタジオに行ってきましたので、マーケティングの観点から報告したいと思います。

ユニバーサル・スタジオはご存知、アメリカの大手映画会社ユニバーサル・スタジオが運営するテーマパークです。カリフォルニアにあるユニバーサル・スタジオ・ハリウッドに続く、2番目にオープンしたテーマパークで、これにアイランド・オブ・アドベンチャー(ILANDS OF ADVENTURE)が併設されています。

今回のお目当ては、なんといってもハリーポッターの魔法の世界です。原作を英語で読んだのが始まりで、今でも、映画は何度も見ています。この映画の世界を実際に体験したく、やってきたのです。

ユニバーサルスタジオは、10年ぶりの訪問で、そのアトラクションの様相も10年前とはかなり変わっていました。今では、ミニオンが出迎えてくれています。ターミネーター、トランスフォーマーに寄り道し、さて、魔法の国ダイアゴ横丁に到着です。

入口かどうかわからないような壁を通り過ぎると、そこは、まさにハリーポッターの魔法の世界です。残念ながら、マグルばかりで、魔法使いはいませんでしたが。。。オリバンダーの魔法の杖の店は人だかり、つえを購入する人の長い列ができています。ほんとの魔法の杖なら欲しいのですが。。。。。グリンゴッドの中にも入ることができて、まさに、映画の中のワンシーンにいるような錯覚にとらわれます。

お昼になったので、近くのレストランで食事です。思ったほど高くなかったので、少しびっくりした次第です。なぜ、ダイアゴ横丁のレストランに入ったかというと、バタービールを試してみたかったからです。ハリーやロン、ハーマイオニーが飲んでいたバタービールを試したかったのです。味は想像していたのですが、想像通りの味で、甘すぎて飲み干すことはできませんでした。私は、本物のビールのほうがいいですね。

さらに、ホグワッツ・エキスプレスに乗って、ホグワッツに向かいました。そこは、夏だと言うのに、雪景色のホグスミードでした。すぐ近くに、ホグワットの建物が見えたので、駆け足で、飛び込みました。しかし、中は結構の人の列で、ライドに到着するまでに1時間ほどかかりました。それでも、ホグワットの中を十分に堪能することができました。ここのアトラクションは、常に新しいものを加えており、5月の末には、アバターの世界が仲間に加わりました。以前あった、ジョーズや、バックトゥーザフューチャーはすでになく、古いものでは、ETとかジュラシックパークが残っていました。

これだけの投資をしていれば、リピーターも増えるだろうと思いましたが、料金はかなり高めで、2つのパークの1日券が165ドルもしました。ILANDS OF ADVENTUREは特に興味はなかったのですが、ホグワットがそこに配置されているので、スキップすることができません。少しいやらしい商売ですね。

パークは一応、外枠が限られているので、新しいテーマを作れば、何か、古いものを壊さなければなりません。投資、人気、規模を考えながら、ゲストが最高の映画の世界を体験をしていけるような、素晴らしい、テーマパークです。

ディズニーが、スターウォーズを買ったのもうなずけます。近い将来、ディズニーランドで、スターウォーズがオープンするかもしれませんね。私としては、ハリーポッター以上に思い入れのある映画ですので、是非、体験したいと思います。

日本食レストランNAKATO 老舗の経営

<顧客を知るのは顧客ただ一人>

顧客や市場について、企業の人間が知っていると考えていることは、正しいことよりも間違っていることのほうが多い。顧客と市場を知っているのはただ一人、顧客本人である。したがった、顧客に聞き、顧客を見、顧客の行動を理解して初めて、顧客とは誰であり、何を行い、いかに買い、いかに使い、何を期待し、何に価値を見出しているかを知ることができる。

『創造する経営者』

<お客様のお望みはエンターテインメント>

アトランタには老舗日本食レストランである、RESTAURANT/NAKATOがあります。

1972年に開店したこのレストランは、鉄板焼きのHIBACHI部門と、寿司バーを中心とするWASHOKU部門の2つからなっています。奥には、日本でも見かけないくらい素晴らしい座敷が用意されています

米国でのJAPANESE STAKE HOUSEは、ロッキー青木氏が1964年に始めたBENIHANAが、その先駆者で、アトランタではほぼ同じころに開店しています。ロッキー青木氏の成功物語は、日本でも有名ですので、JAPANESE STAKE HOUSEもよく知られているかと思いますが、そのパフォーマンスを売りにしています。

鉄板の前で、シェフが、チャーハン、ステーキ、シーフードなどをショー風に仕立て上げて料理をし、お客さんと会話を楽しみながら食事をとるスタイルです。誕生日のお祝いに来られるグループには、従業員が太鼓を鳴らしながら、東京音頭をうたってお祝いします。このレストランに来られる方は、これらのパフォーマンスを楽しみに来ているようです

ある時、常連客がお友達をお連れされたとき、いつもは必ず入れるジョークを常連さんだからと言って、飛ばしてしまったところ、あとから、その常連さんに、「なんでいつものジョークを言わなかったんだ、おれは、それを聞かせるために、友達を連れてきたのに。」と叱られたそうです。ジョークを聞きにレストランに来ることもるのですね。

 

マーケティングの世界では、コトラーのドリルの販売のたとえは有名ですね。ある日曜大工店で、ドリルを買いたいというお客を対応したときの話です。売る側は、自分の店のドリルについて、「いろいろなドリルがあって、こんな性能があります」と説明し、ドリルを売ろうとするわけです。しかし、お客が求めているのは、ある木材に穴をあけることであり、ドリルが欲しいわけではないのです。結局は、店の工作部で穴をあけてもらって、お客は喜んで帰ったという話でした。大切なのは、お店の立場で、商品を説明したり、商品をいくら売るかということではなく、お客様の立場にたって、お客様が何を求めているかをキャッチすることです。そうすれば、おのずとものは売れてしまうのです。

ドラッカーも「マーケティングとは、販売をなくすことだ」と言っています。マーケティングの真髄をついたものでしょう。レストランのマーケティングの基本は口コミでしょう。美味しい料理と、きめ細やかなサービスを提供していれば、口コミで、広がっていきます。お客様の気に入らない料理やサービスを提供すれば、反対に、お客様は入りません。新規顧客を獲得するには、チラシやクーポンを配ることも、よくやられています。

近頃は、YELP(日本のぐるなびみたいなもの)のような、ネットによるレストラン検索ののレヴューがいろいろな点で重要になっています。悪い評判は、即座に広まりますし、新しいレストランを探すときには、必ず、このレヴューを参考にするという人が多いです。このお客様のご意見にしっかり対応して今ないと、そのレストランは生き残れません。レストランにはとても怖い時代ともいえるでしょう

また、リピーターを増やす努力としては、顧客リストを作り、メールやダイレクトメールで管理しているところが多くみられます。その顧客に対して、いろいろな企画を提供して、お店に足を運んでいただくのが、売り上げにも貢献しているようです。NAKATOでは、ハロウィーンのかぼちゃランタン創りや、ひな祭りなど、子供たちをターゲットに、集客をしています。いろいろな企画で、お客様にも喜んで頂いているようです。

http://nakatorestaurant.com/

 

Trader Joe’sの理念経営

自らの強みに集中する

不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。自らの強みに集中すべきである。全くの無能を平均以下の水準にするには、一流を超一流にするよりも、はるかに多くのエネルギーと努力を要する。

『明日を支配するもの』

<トレーダージョーズのプライベートブランド>

アロハを着た店員さんが、気軽に声をかけてくれるスーパー、Trader Joe’s。このお店は普通のスーパーとはちょっと違った、おしゃれ感覚のお店です。ミッションステートメントは、「どの商品をとっても顧客に最大の食料飲料価値を提供することです。すなわち、購入判断に必要な情報をどこでも見つけることができます。私たちは、最高の顧客満足を提供するとともに、温かい心、フレンドリーな心、楽しさや、個人の誇り、そして当社の精神を共にお届けします。」というものです。

967年カリフォルニアのパサディナにコンビニエンスストアとしてできたのが始まりで、現在は、全米に400店舗を構えています。お店の特徴は、通常のスーパーに比べ、売り場面積はさほど大きくありません。そのためか、大きなお店で、欲しいものを探して、ジャングルの中をさまようような感覚はありません。それと、値段の安さと、質の高い商品とが一番の魅力です。Trader Joe’sは、生産者と直結し、大量購入でコストを抑え、独自ブランドとして販売しています。

商品の70%はPB(プライベートブランド)と言われています。カリフォルニアがスタートということで、ワインの品ぞろえにはこだわっています。特に、Trader Joe’sブランドは、$2.99で販売しており、その安さと、美味しさには定評があり、多くの顧客を引き付けています。

商品の多くはオーガニックを売りにしています。オーガニックといえば、WHOLE FOODS ですが、価格はWHOLE FOODSに比べ、かなり安めに設定されています。先ほど述べたように、産地直送であったり、陳列コストを、通常、商品に上乗せするのが常ですが、店員独自で行うということで、コストを抑えています。

店内は、カリフォルニアの雰囲気を感じさせるデコレーションであったり、アロハシャツや、オシャレなデザインのショッピングバッグ等も、日本人観光客のお土産として人気です。日本のヤフーオークションなどに、結構な値段で売りに出ていたりします。

マーケティングの観点から、20代から30代の若いカップルをターゲットとした構成となっており、店内にあまり老人などは見られません。商品数も、他のスーパーが4万点ほどに対して、7000程度の品ぞろえで、かなり絞った感じです。このあたりが、低価格ににできる一つの要因と考えてもよいでしょう。

私は、今、Trader Joe’sの冷凍食品にはまっています。タイカレー、インドカレーなどをはじめとし、

インドのマサラ、中華の餃子、シュウマイ、韓国のカルビなど、世界の食品がTrader Joe’sブランドで売られています。オレンジチキンは特に最高で、月に何度も頂いています。アメリカ人はあまり料理が得意でないのか、外食や、冷凍食品を使うことが非常に多く、特に若い人たちは、その傾向が強いようです。このようなエスニックな感じの冷凍食品は、若い人たちに大人気です。

日本で、このような形態のスーパーマーケットにはまだ出会ったことがありませんが、聞くところによると、日本の大黒天物産という西日本を中心に展開しているスーパーの社長さんが、このTrader Joe’sを気に入って、同じようなものを展開してみたいと言っていたとかいないとか。

お店のお花もとても新鮮で、安く手に入ります。近隣から直送してくれているそうです。一時期、天気が不順で、トルネードが発生した時には、ほとんどお店から花が消えたことがありました。それを聞いた時には、何か、地域と深くかかわりあってるような気分になり、不思議な連帯感を感じたものです

海外に来たら、その国のその街のスーパーマーケットに入るのはおすすめです。その国の人々の生活を知ることができますし、日本にはない多くのものを発見することができます。マーケティングの立場からも、日本でビジネスを始めたりするのに大いに役立つと思います。

http://www.traderjoes.com/

 

スタバのコーヒーは愛だ!

<顧客を創造する二つの機能>

企業の目的が顧客の創造であることから、

企業には二つの基本的な機能が存在する。

すなわち、マーケティングとイノベーションである。

この二つの機能こそ起業家的機能である。

『現代の経営』

 

<スターバックスのイノベーション>

アメリカで、ここ10年の間に増えたものの一つにスターバックスがあります。

珈琲の世界で、グルメコーヒーを売りにして、

一杯数ドルの高価な珈琲を売り出しました。

今まで、このような業態はアメリカにはなく、

日本の喫茶店のようなコーヒーショップは瞬く間に全米に広まっています。

これは、「今のスターバックスを作った人は、このとき、完全に競争の外に身を置いた」

ということをいみしいています。

この人の発想は、一般の人が考える流れの外に会ったのです。

これも、大きなイノベーションの一つでしょう。

 

<アトランタの一般的なスタバ>

多くは、PCを持ち込んで、何かしらキーボードをたたいています。

ここのコーヒーは、ミディアムで税抜き$2.95

日本のコーヒーくらいの値段でしょうか?

とはいっても、アメリカはコーヒーがなければ、目覚めもできないし、

仕事も始まらない、コーヒーカップがいつも手にあるような民族です。

以前は、一杯30セントとか、日本のお茶のように、きわめてタダに近いものでした。

それが、スタバの出現で、一挙に10倍もするコーヒーが現れたわけです。

まあ、日本にある喫茶店をアメリカ風に実現したものと言ってもいいかもしれません。

しかし、10倍の値段でも顧客があるというのは、そこに愛があるからです。

グルメコーヒーという高品質のものを提供したことは、

スタバの始まりだったかもしれません。

それ以上に、珈琲がゆったりと飲める空間を提供したことは、

新しいスタバ文化というものを創造したようにも見えます。

だれもが、スタバでPCを操ることは、時代の先端を行くカッコいい人たちのようです。

また、手軽に持ち運べるクールさを提供したことは、

顧客のニーズこたえる愛そのものだったのです。

顧客に対価以上の価値を与えること、

即ち、与える愛こそが、繁栄・豊かさの源泉ではないでしょうか?

あなたも、お客に何を与えられるか、よく考えてみましょう。

売り上げは、後からついてきます。

スターバックス

 

チック・フィ・レイの経営理念

<マネジメントの三つの役割>

マネジメントには、自らの組織を機能させ、社会に貢献させるうえで、三つの役割がある。それら3つの役割は異質であるが同じように重要である。

第一に、企業、病院、大学のいずれであれ、自らの組織に特有の目的と使命を果たす。

第二に、仕事を生産的なものにして働く人たちに成果をあげさせる。

第三に、自らが社会に与える影響を処理するとともに、社会の問題について貢献する。

P.F.DRUCKER『マネジメント』

 

 

Chick-fil-Aの経営理念による経営>

上記、3つの役割を果たすための手法として、理念経営というものがあります。

ドラッカーの経営者に贈る5つの質問の第1番目、我々のミッションは何か?

ということを表す端的な言葉です。

言い換えれば、なぜ我社が必要なのか。

それに応えるのがミッションステートメント、経営理念と呼ばれるものです。

ここアトランタにも少し変わった経営理念を持った会社があります。

チキン・サンドイッチで有名な、チックフレイ(Chick-fil-A)という会社です。

1946年に一軒のレストランとしてスタートし、

現在5千億以上の売り上げを誇るファースト・フードチェーンです。

その経営理念は、

「委ねられた全ての敬虔な僕として、神の栄光をたたえるために、

チックフレイ(Chick-fil-A)を訪れるすべての方々に、

良き影響を与ええることを目的とする」

というものです。

これは、クリスチャンである創設者のツレット・キャシーの方針です。

マーケティングとしては、近くのフォード工員のために、

面倒な骨を取り除き、短い昼食時間に簡単に食べられるチキンサンドイッチを、

世界で最初に考案したレストランであり、

また、モールと呼ばれる大規模商業施設の中に、

初めてファーストフードレストランとして、店舗を持った企業でもあります。

店舗内の厨房で、冷凍されていない生肉から調理することで、

大変おいしいチキン・サンドイッチを提供してくれるということで発展しました。

クリスチャン経営の特徴として、日曜日に閉店するレストランとして有名です。

神様の愛のために、お客様の愛のために経営するレストランが、

発展しないはずはないですね。

この美味しいチキンサンドイッチをあなたもお試しになりませんか?

チックフィレイWEB

コカ・コーラのマーケティング

<顧客の創造>

企業とは何かを理解するには、企業の目的から考えなければならない。

企業の目的は、それぞれの企業の外にある。

企業は社会の機関であり、目的は社会にある。

企業の目的として有効な定義は一つしかない。

顧客の創造である。

P.F.DRUCKER『現代の経営』

企業における「成果」とは何かを考えると、

ともしますと、利益を上げることが企業の目的である、

というような感じになりがちですが、実は、そうではありません。

なぜなら、利益だけを求めても利益はこないんです。

顧客のニーズを満たすことが先で、利益、成果は後からついてくるのです。

ですから、ドラッカーは、「企業の目的は顧客の創造である」

という言葉で、利益が目的と思っている、あまたの経営者に対して、

「まず注視すべきは顧客なのだ」という、顧客志向を強く打ち出し。

その眼のウロコを落としたのです。

この顧客志向において、いかにして顧客を創造するかを考えた時に、

よく使われるコンセプトがあります。

『物を売るな、体験を売れ。』

セールス、マーケティングの世界ではよく知られた言葉です。

 

<コカ・コーラミュージアムの体験>

ここアトランタは炭酸飲料水で世界を席巻するコカコーラの発祥の地であり、

ワールドオブコカコーラミュージアムがあります。

ここで、体験的にコカ・コーラのマーケティングを考えてみましょう。

コーラサイン

ワールドオブコカコーラミュージアムには、

130年の歴史を持つコカコーラの全てが展示されており、

たった2人しか知らないコカコーラの製法も、

ここの大金庫に収められています。

ミュージアムはコカコーラの一大広告塔で、

しかも刺激的な体験の数々が用意されています。

入館して直ぐに3種類のコカコーラの無料試飲を勧められます。

キンキンに冷えたコーラにはチョッと感動を覚えます。

まずは、製品を飲んでいただくという、直接的な体験が提供されます。

しばらくすると、展示館の中に導かれます。

そして、若くてチャーミングなお姉さんが、

とてもフレンドリーに歴史を紹介してくれます。

出身地を聞かれますので、めいめいが州の名前や、国名を伝えています。

全米各地から、あるいは、全世界からの旅行者も含め、

この時点で、インターナショナルな雰囲気がいっぺんに高まります。

次の映像ルームではコカコーラのコマーシャル映像。

世界中の感動体験を映像化したもので、

そのシーンの中にはいつもコカコーラがあります。

家族そろってお祝いするバースデーパーティー、

熱気球に乗ったカップルが、カーゴの中で、プロポーズする姿。

雪山のゲレンデをさっそうと滑りくるスキーヤー、

そして、その手には、コカ・コーラを持っている。

流石、世界のマーケティングをリードする企業のCMです。

コカコーラの歴史展示もほとんどが体験型ですし、

4Dシアターでは立体映像、椅子は動くは、風吹き付けられるは、

ユニバーサルスタジオを彷彿とさせる演出です。

最後は、世界のコカコーラ製品の試飲で、

100種類以上の清涼飲料水を楽しむことができます。

ただし、甘い!にが!すっぱ!お国柄によって、

よくこんなものが飲めるというものまであります。

すべてがコカ・コーラのPRで、しかも入場料まで取ります。

でも、でも、館を出るころには、すっかりコカ・コーラの大ファンになっています。

素晴らしいマーケティングです。

CokeJPG

コカ・コーラWEB